子供の頃に住んでいた街に、多賀神社という神社がありました。
小学校の門を出て右側、裏の草深い山にあり、放課後はよく遊びに行きました。
雰囲気
とても田舎で、一本しかない車道の周囲はずっと畑が広がり、コンビニもスーパーもなく、他に遊びに行くところはなかったのです。
田んぼのそばのあぜ道を歩いていくと、山の麓に石段があり、その石段を何段も登ったところにひっそりと神社が建っています。
朽ち果てかけた鳥居が一つ、あとは本堂と手水のみで、その他には特に何もありません。
かつては神主さんもいたようですが、今は人気がなく、そばのお寺の方が併せて清掃をしているとのことでした。
初詣に訪れる人もおらず、地元の人は代わりにそばのお寺にお参りするようです。
神社の付近はだだ広い原っぱになっており、春にはシロツメクサ、秋には曼珠沙華が咲き乱れていました。
夏の日はよくそこで草野球や鬼ごっこをしたものです。
神社自体は奥まった森の中にあり、夏でも蝉の声しかせずにとても静かでした。
狐や狸、猪が出るという噂もあったくらいです。(南の方なので熊が出ないことは大変ありがたいことです。)
私も一度狸が走っていくのを目撃しました。
兎追いしかの山ならず、狸追いしかの山、です。
この神社の由来は定かではないのですが、実は周辺の直方市に同名の神社があるようです。
そこはWikipediaにも載っているくらいの規模の神社で、平安時代以前から存在しているとのことです。
場所も近いのでなにか関連があるのかとも思いますが、詳細についてはよくわかりません。
直方の方の多賀神社のご本尊は『伊邪那岐大神』と『伊邪那美大神』とのことですので、こちらの多賀神社の方も同様かもしれません。
アクセス
最寄り駅は2駅あります。
企救丘駅出口1出口から徒歩で13分、志井公園駅出口から徒歩で14分です。
志井駅からも少し時間がかかりますが、徒歩約19分で着きます。
3駅ともバスが出ているので志井小学校前で下車して徒歩4分ほどで着きます。
まとめ
田舎育ちなもので神社とは皆この多賀神社のようなひっそりと寂しいものだと思っていましたが、都会に出ると東京にも京都にも立派な神社が有り、お正月でもない普通の日でも人が多く参拝していて驚きました。
ただし、そういった神社でも門前はお土産屋が立ち並び賑やかですが、上の方の分社まで行くと訪れる人もおらずひっそりとしています。
こういった静謐な空間の方が好きな方には、多賀神社はオススメです。
周辺に行楽施設がないので、ここだけを目的に訪れる方は少ないと思いますが、もし仕事の機会などで近くを訪れられた日にはぜひ立ち寄って見ていただけると幸いです。
ただしお立ち寄りの際は狸や狐にはくれぐれもお気をつけて。
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